淡路島では、夏の手前から田んぼの片隅に玉ねぎを吊るした小屋が見られます。
これは「玉ねぎ小屋」と呼ばれる玉ねぎ専用の家。玉ねぎ界のスーパーアイドル、淡路島玉ねぎがおいしさに磨きをかけるための聖なる場所なのです。
ここでは、玉ねぎ小屋について詳しくご紹介します。
玉ねぎ小屋について
玉ねぎ小屋とは
「吊り小屋」とも呼ばれる、淡路島の伝統的な玉ねぎ貯蔵庫。骨組みと屋根だけの壁のないシンプルな建物で、「なる」という木の棒を渡して玉ねぎを吊り下げます。これがなかなか重労働で足腰がキツい……。よって玉ねぎ生産者の高齢化が進む昨今、作業負担の少ないコンテナ保存への切り替えも増えています。
淡路島から玉ねぎ小屋の光景が減っていくのはさみしいなぁ……。
玉ねぎ小屋の役割
玉ねぎの腐敗を防ぐ
玉ねぎは高温と加湿が苦手。直射日光が当たらず風通しが良い玉ねぎ小屋は、温度と湿度とのバランス良好で玉ねぎの腐敗を防ぎます。
※ご家庭でも、涼しく風通しの良い場所で保管することが玉ねぎをおいしさを保つポイントになります。
玉ねぎを乾燥させる
海に囲まれた淡路島には朝夕たくさんの風が吹きます。その自然の風を利用して、玉ねぎをしっかりと乾燥・熟成させるために重要な場所がたまねぎ小屋。水分が抜けていくことでギュっと身が引き締まり、甘みも格段にアップします。
また、表皮がよく乾くとケルセチン量(※)が上がり、ツヤのある美しい色合いに。玉ねぎの皮は染色に使われたり、玉ねぎの皮茶としても利用されます。
※ケルセチン……フラボノイド、ポリフェノールの一種で、主に玉ねぎなどの野菜に多く含まれている成分。
吊り玉について
玉ねぎ小屋に吊るす玉ねぎのことを「吊り玉」「吊るし玉ねぎ」といいます。掘り取りした後、つるを長く残した玉ねぎ10個程度を束にして紐で縛ったもので、風通しのよい場所で長期間保存が可能。淡路島ではたまねぎ小屋だけではなく、家屋の軒先やベランダなどでも目にします。
ちなみにこちらは今年の吊り玉づくりの様子。おばあちゃんの神業的玉葱さばきに惚れ惚れします。
ご家庭で吊り玉を楽しんでみませんか
兵庫県洲本市「みやざきファーム」ではつる付き玉ねぎのオンライン販売をしています。
食べたいときに食べたい分だけハサミでカット!そんな吊り玉をご家庭で楽しんでみてはいかがでしょうか。